【2026年版】シャドーAI対策完全ガイド|情シスが今すぐ始める4ステップ

生成AIの無断利用(シャドーAI)は禁止だけでは止まりません。発生理由を整理し、把握・抑制・是正までの実務手順を4ステップで解説します。

【2026年版】シャドーAI対策完全ガイド|情シスが今すぐ始める4ステップ

まとめ:「把握」と「代替手段」から始め、段階的に是正する

シャドーAI(無断での生成AI利用)は、禁止を強化しても自然には減りません

多くの企業では、次の順序で対処することで現実的に抑制しています。

  1. 実態を把握する
  2. 許容範囲を明確にする
  3. 公式ルートを提供する

なぜ起きる?シャドーAIは"悪意"より"業務効率"が原因

現場でシャドーAIが発生する主な理由は、以下の4つです。

理由 具体例
ルール未整備 正式なAI利用ルールがまだ存在しない
社内ツールの使いにくさ 私物ツールの方が圧倒的に早い
リスク認識の甘さ 「調べ物や下書きなら問題ない」と思っている
教育不足 情報漏えい・誤情報のリスクが共有されていない

その結果、個人判断での利用が常態化し、監査や事故発生時に説明できなくなります。


用語解説

用語 意味
シャドーAI 会社に申告せず、私的・非公式に生成AIを業務利用すること
無断利用 社内ルールや承認を経ずにツールを使う状態
公式ルート 会社が認めたツール・手順・利用条件

実践:シャドーAIに対処する4ステップ

ステップ1:実態を「聞いて・見える化」する

ポイント:最初は摘発しない

最初から取り締まると、実態は見えなくなります。多くの企業では、以下の方法で状況を把握しています。

  • 匿名アンケート:「生成AIを使っているか」を確認
  • 部門ヒアリング:使われがちな業務を洗い出す
  • 問い合わせ分析:情シスへの相談内容を整理する

目的は、誰を罰するかではなく、どこで使われているかを知ることです。


ステップ2:「OK/NG」をシンプルに示す

ポイント:細かく決めすぎない

ルールは、まず最低限で構いません。

初期ルールの例

NG 理由
個人情報・顧客情報・社外秘の入力 情報漏えいリスク
対外文書・意思決定資料への直接使用 誤情報リスク
人の確認なしでの出力利用 品質担保ができない

細かい例外を作りすぎると、現場で守られなくなります。


ステップ3:公式に使える代替手段を用意する

ポイント:禁止だけでは止まらない

シャドーAIが減らない最大の理由は、**「代わりがない」**ことです。

  • 環境整備:社内向けに利用可能な生成AI環境を用意する
  • 用途限定:下書き・要約など、利用目的を限定して認める
  • ガイド作成:利用方法を簡単なガイドにまとめる

公式ルートが便利になれば、無断利用は自然に減ります。


ステップ4:高リスク利用だけを是正対象にする

ポイント:全部を監視しない

すべての利用を監視するのは現実的ではありません。優先すべきは以下のケースです。

優先度 対象業務
個人情報・顧客情報を扱う業務
対外発信や契約に関わる業務
委託先・再委託が絡む業務

これらに限定して注意喚起・是正を行い、段階的に範囲を広げます。


よくある失敗パターン

失敗 なぜ問題か
全面禁止を出して終わる 現場では使われ続け、見えなくなる
違反者探しに走る 情報が上がらなくなり、リスクが拡大する
海外規制をそのまま適用 国内法や実態に合わない場合がある(要確認)
一度決めたルールを放置 ツールや使い方が変わるため、定期見直しが必要

シャドーAI対策チェックリスト

自社の状況を確認してみてください。

  • [ ] 社内で生成AIが使われている実態を把握した
  • [ ] 最低限の利用ルールを周知した
  • [ ] 公式に使える生成AIの選択肢がある
  • [ ] 高リスク業務を特定している
  • [ ] 定期的に見直す体制を決めた

3つ以上チェックできていない場合は、ステップ1から始めることをおすすめします。


参考資料

機関 資料名
経済産業省 AI事業者ガイドライン(第1.1版)
総務省 AIネットワーク社会推進会議 資料
NIST AI Risk Management Framework 1.0
OECD AI Principles

本記事は一般的な情報提供であり、法務・監査の個別助言ではありません。最終判断は社内ルールおよび専門家にご確認ください。